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相続登記

相続登記の中間省略 | 原則不可だが一部の例外では認められる特殊なケースについて解説します。

相続登記の中間省略 | 原則不可だが一部の例外では認められる特殊なケースについて解説します。

相続登記は、被相続人が所有していた不動産の名義を相続人に移転する手続きです。

しかし、複数の相続人がいる場合や、被相続人から相続人へ直接名義変更が難しい場合など、手続きが複雑になることがあります。

そこで注目したいのが、「中間省略登記」と呼ばれる制度です。従来の中間省略登記は2004年に廃止されましたが、新たに「新中間省略登記」が導入され、相続手続きをよりスムーズに行うことが可能になりました。

この記事では、(新)中間省略登記の概要を説明するとともに、適用する際には具体的にどんな流れで行っていくのかについて解説します。

今回のポイントは、「中間省略によって、プロに任せることなく個人で手続きを完結できるのか」という点です。

結論をいうと、中間省略を採用したとしても、必要な書類作成・申請手続きの面倒さは変わりないため、けっきょくは司法書士などのプロに一気通貫で任せるのがベストです。

中間省略の「省略」というのは、「プロにまかせなくても個人で完結できるほど簡略化できる」という意味ではなく、あくまでも「場合によっては中間者を経由しなくても手続きを済ますことができる」という意味です。

何かとややこしい印象の中間省略ですが、以下で具体的にどんなものなのか、掘り下げていきましょう。

相続登記の中間省略とは「手続きを簡略化した名義変更」のこと

中間省略登記とは、不動産の名義変更手続きにおいて、中間者を経由せずに直接最終的な名義人に所有権を移転する方法です。

通常、不動産売買や相続では、所有権が移転した順番通りに登記を進める必要があります。しかし、中間省略登記では、この中間者を省略することで、手続きを簡略化することができます。

  • 手続きの簡素化:中間者を介さずに登記を行うため、手続きの手間と時間を大幅に削減できます。
  • 費用節約:登記回数が減るため、登録免許税などの費用を節約することができます。
  • 時間短縮:中間者との連絡や手続きに要する時間を短縮することができます。

ただし、2004年の不動産登記法改正により、中間省略登記は認められなくなりました。

従来型の中間省略登記は原則不可(2004年以降)

いま解説している「中間省略登記」は、実は2004年(平成16年)の不動産登記法改正により、法務局側では原則的に認められていない方法となっています。これは、所有権移転の経緯を正確に記録できないという問題があるためです。

改正後の不動産登記法では、登記申請時に登記原因証明情報を添付することが義務付けられました。

登記原因証明情報とは、所有権移転の経緯を証明する書類であり、中間省略登記を行う場合は、すべての中間者からの承諾書が含まれる必要があります。

中間者からの承諾書が必要になったことで、中間省略登記の「手続きの簡略化」というメリットがあまり見出されなくなりました。

現在は「新中間省略登記」が旧制度に代わる方法

2004年の不動産登記法改正により、従来の中間省略登記は原則的に認められなくなり、代わりに新中間省略登記という新しい制度が導入されました。

具体的には、以下の条件を満たす場合にのみ利用することができます。

  • 所有権移転の経緯を証明する書類を添付すること
  • すべての登記権利者の同意を得ること
  • 登記原因証明情報の記載内容が法令等に定める基準を満たすこと

具体的には、2つの方法として整理することができます。

①第三者のためにする契約方法

この方法は、最初から最終的な名義人に不動産を移転することを前提とした売買契約を締結する方法です。

具体的には、以下の手順で手続きを進めます。

  1. 最初の名義人と中間者で売買契約書を作成します。この契約書には、中間者を経由せずに最終的な名義人に所有権を移転できるという特約を盛り込みます。
  2. 中間者から最終的な名義人へ所有権を移転する売買契約書を作成します。
  3. 上記2つの売買契約書に基づき、登記申請を行います。

この方法では、三為(さんため)業者と呼ばれる不動産業者を介して手続きを進めることが一般的です。

三為業者は、最初の名義人と中間者、そして最終的な名義人との間で、円滑な売買契約締結をサポートします。

②買主の地位を譲渡する方法

この方法は、最初の名義人と中間者で締結した売買契約の買主の地位を、最終的な名義人に譲渡する方法です。具体的には、以下の手順で手続きを進めます。

  1. 最初の名義人と中間者で売買契約書を作成します。
  2. 中間者と最終的な名義人の間で、買主の地位譲渡契約書を作成します。
  3. 上記2つの契約書に基づき、登記申請を行います。

この方法では、中間者と最終的な名義人との間で、買主の地位譲渡契約書を締結する必要があります。この契約書には、買主の地位を譲渡する旨を明記する必要があります。

新中間省略登記の注意点

利用にあたっては、いくつかの注意点と潜在的なリスクが存在します。

①買主の地位譲渡契約における注意点

新中間省略登記で買主の地位を譲渡する場合、宅建業者の重要事項説明義務と契約不適合責任が免除されるケースがあります。具体的には、以下の点に注意する必要があります。

  • 宅建業者の関与状況:宅建業者が契約書作成に関与していない場合は、重要事項説明義務を負わない可能性があります。
  • 契約内容:契約書に重要事項説明義務を免除する特約が盛り込まれている場合は、宅建業者は説明義務を負いません。

これらのケースにおいて、買主(最終的な名義人)は、十分な知識と情報収集を行った上で、慎重に契約内容を確認する必要があります。

②契約不適合責任の免責特約

最初の名義人や中間者が、契約不適合責任を免責する特約を盛り込んだ契約書を作成している場合があります。この特約が有効な場合、買主は契約不適合責任を主張することができません。

例えば、瑕疵(欠陥)が発見された場合でも、買主は修補請求や損害賠償請求をすることができない可能性があります。

③代金支払いと所有権移転のタイミング

買主の地位譲渡契約では、特約付き売買契約を締結する場合が多く、代金支払いと所有権移転のタイミングが異なる点に注意が必要です。

具体的には、譲渡契約が締結されてから代金が支払われ、その後所有権移転手続きが行われます。そのため、代金回収まで時間がかかり、所有権移転リスクが生じる可能性があります。

新中間省略登記は「第三者のためにする契約方法」が無難におすすめできる

上記のようなリスクを回避するためには、新中間省略登記の中でも「第三者のためにする契約方法」を選ぶことを推奨します。

この方法では、最初から最終的な名義人への所有権移転を前提とした売買契約を締結するため、代金支払いと所有権移転を同時に行うことができます。

例外として相続登記の中間省略が可能なケース

実は現在でも従来型の中間省略が認められる場合があります。端的にいうと、中間で発生した相続において、「誰が不動産を相続したか明白」な事例です。

裁判所が中間省略登記を命じた場合

実際に、判決に基づいた中間省略登記が認められた事例が存在します。判決に基づく登記申請である以上、中間省略登記を認めることに問題はないと見なされています。ただし、中間省略登記を認めるためには、判決主文に登記の原因を明確にし、所有権移転登記を命じていることが必要です。

相続登記前に相続人が亡くなった場合(数次相続)

数次相続とは、被相続人が亡くなった後に遺産分割協議や相続登記が完了していないうちに、相続人が亡くなってしまうことで、次の相続が発生してしまう状況を指します。

例えば、登記名義人Aさんが亡くなり、Bさんが相続人となった後、Bさんが亡くなる前に相続登記が完了せず、Cさんが相続人となった場合などが数次相続に該当します。

通常、このようなケースでは、AさんからBさんへの相続登記(相続登記)を行い、その後BさんからCさんへの相続登記を申請する必要があります。

しかし、中間の相続が単独相続(相続人が1人)の場合は、中間省略という方法で、AさんからCさんへの相続登記を申請することができます。

登記名義人の住所や氏名が何度も変更した場合

登記名義人の住所や氏名が複数回変更された場合、例えば数回にわたって住所を移転した場合など、直接現在の住所に変更するための登記が可能です。

たとえば、住所が東京から札幌へ移転し、さらにその後に旭川へ移転した場合でも、1回の申請で現在の住所に変更できます。

相続登記の中間省略の流れと必要書類

①相続対象となる不動産の情報を集めておく

必要な書類等取得方法・見つからない・紛失した場合
固定資産納税通知書納税通知書を紛失された場合は再発行ができませんが、「固定資産確定申告用明細記載書」を無料で取得することができます。 
登記済権利証万が一紛失した場合は、司法書士が権利証の代わりとなる「本人確認情報」を作成することが可能です。安心してご依頼ください。
登記簿謄本同上
名寄せ帳市区町村役場や都税事務所の窓口で、申請書と本人確認書類の提出で取得が可能です。 

②中間省略が適用される例外ケースかどうかを確かめる

先述したように、相続登記の中間省略が適用される場合もあります。

まずは相続人の調査を行い、一次相続の相続人を特定しましょう。

調査の結果、中間省略が適用されない場合は、各相続ごとに登記申請が必要になります。必要な戸籍謄本の種類も異なり、手続きが複雑になりますので、その場合は司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。

③遺産分割協議を行う

ここでようやく「遺産分割協議」です。遺産分割協議とは、相続人がどのように遺産を分割するかを決定するための話し合いのことで、遺産トラブルを回避するためにきわめて重要なものです。

④相続登記の申請書類を作成して法務局に届ける

相続登記とは、被相続人が亡くなった後に、その人が所有していた不動産の名義を相続人に移転する手続きです。

不動産の所有権は、法務局で管理されている登記簿に記録されています。しかし、所有者が亡くなっても、法務局が自動的に名義変更を行うことはありません。

相続登記を自分で行うのは大変

相続登記を自分で行うことは、費用を抑えられるというメリットがありますが、時間と労力、登記漏れなどのデメリットも少なくありません。

時間と労力がかかる

相続登記は、単に書類を提出するだけの簡単な手続きではありません。法務局で定めるルールに基づき、必要書類を収集し、申請書を作成する必要があります。法務局は平日のみ受付可能なので、仕事を休むなどの面倒もデメリットの一つです。

登記漏れが生じるおそれがある

相続登記を行う際には、亡くなった人が所有していた全ての不動産を把握する必要があります。しかし、私道や共用部分などの持分は、相続人自身も把握していないケースが多く、登記漏れが発生しやすい問題です。

専門知識が必要

相続登記は、法律や登記に関する専門知識が必要となる手続きです。不備があると、申請が却下されたり、登記漏れが発生したりする可能性があります。

確実な相続登記をしたい場合は、札幌大通遺言相続センターへご相談ください

相続登記は、シンプルなケースの場合自分で行っても問題が起こりにくいです。しかし、複雑なケースであるほど専門的な知識が必要になります。

登記の記載を間違えてしまうと、遡っての確認や再度書類の集め直しなど、多くの手間が発生してしまいます。スムーズに相続登記を進めたい、確実に登記簿を記載し安心して相続したい方はぜひ札幌大通遺言相続センターへご相談ください。

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