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遺産分割協議

前婚の子が3名判明した相続|代償分割で自宅を守り手続きを完了した事例

配偶者が亡くなり相続手続きを進めようとしたところ、前婚の子がいることが分かった。しかも面識がなく、連絡先も分からない。こうした状況に直面すると、多くの方が途方に暮れてしまいます。離婚しても親子関係は解消されないため、前婚の子は法定相続人としての権利を有しています。面識がないからといって手続きから除外することはできず、遺産分割協議には全員の参加と合意が必要です。

本記事では、戸籍調査の結果、夫に過去2回の婚姻歴があり前妻らとの間に子が合計3名いることが判明したケースにおいて、弁護士と連携しながら代償分割により自宅を確保し、全手続きを完了した事例をご紹介します。

相談時の状況と戸籍調査で判明した相続関係

ご相談者は、亡くなったご主人の妻でした。現在の夫婦間にお子様はおらず、夫には前妻との間に子がいるとは聞いていたものの、面識はなく居所も分からない状態でした。相続財産は自宅の不動産と預貯金です。ご相談者としては、何よりも現在住んでいる自宅を手放さずに済む形で手続きを進めたいとのご希望でした。
相続人確定のためにご主人の出生から死亡までの戸籍を遡って収集したところ、ご主人は過去に2回の婚姻と離婚を経験していたことが判明しました。1回目の婚姻で子が1名、2回目の婚姻で子が2名おり、前妻らとの間の子は合計3名です。ご相談者が把握していたのは前婚の子がいるという事実のみであり、2回の婚姻歴があること、子が3名いることはいずれも戸籍調査によって初めて明らかになり、法定相続人は妻と前婚の子3名の合計4名であることが確定しました。

面識のない相続人との協議をどう進めたか

弁護士への連携と遺産分割協議の方針

本件では、ご相談者が前婚の子との直接的な連絡を控えたいというご意向を示されておりました。面識のない相手に対して、自ら相続の話を切り出し、財産の分割について交渉することには大きな心理的負担が伴います。こうした場合、相続人間の交渉や調整を代理できるのは弁護士に限られます。行政書士や司法書士は書類の作成や登記の代理はできますが、相続人間の利害調整を伴う交渉の代理は弁護士法により弁護士の専管業務とされています。

そこで、当事務所の提携弁護士をご紹介し、前婚の子3名との連絡および遺産分割の交渉を弁護士が担当する体制としました。行政書士が収集した戸籍一式と戸籍附票による住所調査や財産調査の結果を弁護士に引き継ぎ、弁護士が各相続人に連絡を取って協議を進めました。

代償分割による自宅の確保と合意の成立

遺産分割の方法として採用されたのが、代償分割です。代償分割とは、特定の相続人が遺産の現物を取得する代わりに、他の相続人に対して代償金を支払うことで精算する分割方法です。本件では、妻が自宅不動産および預貯金を取得し、その代わりに前婚の子3名に対して、それぞれの法定相続分に相当する代償金を支払うという内容で合意が成立しました。

代償分割は、自宅に住み続けたい相続人がいる場合に有効な方法です。不動産を売却して代金を分ける換価分割では住む場所を失ってしまい、不動産を共有名義にする共有分割では将来の売却や管理に支障が生じます。代償金の支払い能力が前提となりますが、本件では預貯金と自己資金から代償金を捻出できる見込みが立ったため、この方法が採用されました。

遺産分割協議書の作成から登記・預金解約の完了まで

弁護士が取りまとめた合意内容をもとに、行政書士が遺産分割協議書を作成しました。協議書には、妻が自宅不動産と預貯金を取得すること、前婚の子3名に対してそれぞれ代償金を支払うこと、支払いの期限と方法を明確に記載しています。相続人4名全員の署名捺印を得て協議書が完成した後、司法書士が自宅不動産の相続登記を申請し、妻名義への変更が完了しました。預貯金口座の解約手続きについても行政書士が対応し、すべての手続きが完了しています。

手続き完了後の状況と前婚の子がいる相続へのアドバイス

ご相談者は自宅を手放すことなく相続手続きを完了し、安心して住み続けられる状態を確保することができました。面識のない前婚の子との交渉も弁護士を通じて行われたため、ご相談者が直接やり取りをする精神的な負担も軽減されています。

前婚の子がいる相続に限ったお話ではないですが、相続手続きにおいては、まず戸籍調査によって相続人を正確に把握することが出発点となります。本件のように、ご本人が把握していた以上に婚姻歴や子の人数が多かったということは実務上少なくありません。離婚しても親子関係は法的に継続するため、前婚の子も法定相続人です。この事実を前提に、早い段階で専門家に相談し、正確な相続人調査を行うことが重要です。

また、面識のない相続人との協議が見込まれる場合には、弁護士を含めた専門家チームで対応することが有効です。当事務所では、行政書士が戸籍収集と財産調査、協議書作成を担い、弁護士が相続人間の交渉を代理し、司法書士が登記を申請するという役割分担のもと、ご相談者の負担を最小限に抑えながら手続きを進めることが可能です。前婚の子がいる相続でお困りの際は、お早めに当事務所にご相談ください。

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