【コラム】相続人に行方不明者がいる場合①

不在者財産管理人制度

『何年も前からずっと連絡が取れない相続人がいる』

『相続人に行方不明者がいる』

当センターにご相談頂く内容の中には、このようなものが決して少なくありません。

今回は、相続人に行方不明者がいる場合の不在者財産管理人制度を利用した手続きの流れをお話ししたいと思います。

不在者財産管理人

 「不在者財産管理人」の制度は民法第25条に定められており、行方不明者が残した不動産預貯金等財産を管理すること(目的物の保存行為・目的物の性質を変えない範囲での利用・改良行為)を任務として、家庭裁判所への申立てによって選任される者をいいます。

相続手続きと不在者財産管理人

相続手続きの際、相続人の中に行方不明者がいる場合には、遺産分割協議を行なうことはできません。

そこで登場するのが「不在者財産管理人」なのです。

不在者財産管理人の候補者を選び、必要な戸籍等を収集したうえで、行方不明者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申立てを行ないます。

権限外行為許可申立て

行方不明の相続人について無事に不在者財産管理人が選任されても、そのままでは不在者財産管理人は遺産分割協議に参加することはできません。

遺産分割協議に参加することは、不在者財産管理人の本来の業務ではないため、民法第28条に基づいて、再度家庭裁判所の許可を求めなければならないのです。

これを「権限外行為許可申立て」といいます。

不在者財産管理人が権限外行為の許可申立てを行なう際には、遺産分割協議書の案を添付して、家庭裁判所に持ち込みます。

この遺産分割協議の内容によって、許可をするかしないかが判断されることとなります。

不在者財産管理人と遺産分割協議

不在者財産管理人が不在者の財産管理を目的としている以上、どんな内容の遺産分割協議でも認められるというわけではありません。

すなわち、具体的な例では、不在者が全く財産を相続せず、他の相続人が相続財産の全部を相続するという内容では、権限外行為としては許可されません。

権限外行為許可申立てを行なう際の遺産分割の内容としてよくあげられるのは

『遺産の全部について相続人Aが相続する。但し、Aはその代償金として、不在者Xが現れた場合にはその法定相続分に相当する額の現金として、金●●万円をXに交付するものとする』
との内容です。

行方不明者がいる場合の相続には煩雑な手続きがつきまといます。また、それにも関わらず、希望通りの遺産分割協議ができないということもあるのです。

相続手続きが始まってからでは対策のしようがありません。

将来、相続人となるはずの方と連絡が取れない等の事情が既におありの場合には、遺言書の作成といった事前の対策をとられることを強くおすすめいたします


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