事前に対策しておきたい『相続手続が複雑化してしまう6の理由』②

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Case④ 相続人の中に未成年者がいる場合


 幼いお子様を遺してお亡くなりになったときには、その方の配偶者と未成年のお子様が相続人となりますが、その場合には『特別代理人』の選任を家庭裁判所に申し立てなければなりません。
 
 遺産分割の際の話し合いにはその相続人全員が参加しなければなりませんが、未成年者については、代わりに親権者である父または母が【遺産分割協議】を行います。しかしながら、その父または母は死亡した方の配偶者として、未成年の子と同じように相続人となっていますから、その遺産をどれだけ相続できるのかという点について利益が相反する関係にあるといえます。

 このような場合には、たとえ親権者であっても未成年者の代理人として行動することはできず、その遺産分割について特に未成年者の代理人となる者(=特別代理人)を選任しなければないとされているのです。
 
 また、お子様が複数いる場合には複数の特別代理人を選任しなければならないこともあります。普段なかなか意識することはありませんが、
危険の伴う業務に就いている方などにあっては、早いうちから遺言書を作成しておくことは非常に有効な対策となり得ます。







Case⑤ 相続人の中に行方不明の方がいる場合



 相続人全員による遺産分割の話し合いが求められるのは、相続人の中に行方不明者や連絡の取れない者がいる場合も例外ではありません。


 行方不明者がいる場合の遺産分割の方法は大きく2通りあります。
 

 1つは『失踪宣告』と呼ばれるものであり、これは行方不明者を死亡したものみなす制度です。「みなす」といっても、死亡したものとして扱われますので、当然行方不明者についても相続が発生し、これによって考慮される相続人がそもそもの被相続人の遺産分割協議に参加することとなります。


 もう1つは、不在者である行方不明者について「財産管理人」を選任する制度です。 
 この不在者財産管理人は行方不明者が残した財産を管理する者として選任され、行方不明者の代わりに遺産分割の話し合いを行うこととなります。

 しかしながらこの不在者財産管理人は、そもそもの権限が財産の管理に限定されており、遺産分割協議を行う権限がありません。そのため、不在者財産管理人が遺産分割協議に参加するためには、不在者財産管理人の選任申立ての他、「権限外行為許可申立て」という、不在者財産管理人の本来の業務ではない遺産分割協議を行うことを裁判所に認めてもらうための申立てをも併せて、家庭裁判所に対して行わなければなりません。

 費用も時間もかかる大変手間の多い作業となってしまいます。






Case⑥ 遺言によって、相続人ではない者に財産を与える場合



 これまで記載してきた多くの例が【遺言書】を遺すことによって回避することができますが、しかし、【遺言書】を書いたからといって全て安心できるわけではありません。
 
 【遺言書】を自分で書く場合には、全文を自分で書く、日付を書く等法律で定める要件を満たさなければならないことは当然ですが、法律上有効な【遺言書】も記載内容によっては現実的に実現が難しくなってしまう場合もあります。
 
 
 その際たる例が、相続人ではない者に遺言によって財産、特に不動産を与える場合(=遺贈)です。


 【遺言書】を遺す場合には、常にその内容が必ず実現されるのかどうかを考えなければなりません。預貯金においては【各金融機関における解約手続き】が、不動産にあってはその名義変更が【遺言書】によって無事に行うことができるかどうかという具合にです。
 そして不動産の遺贈の場合、その不動産名義変更には相続人全員の署名と実印による押印が必要となるのが原則なのです。これではせっかく【遺言書】を書いたにも関わらず、結局手続きの煩雑さが何も変わらないこととなってしまいます。

 
 そこで有効なのが【遺言執行者】を定めておく方法です。

 
 【遺言執行者】とはその遺言を実現するために定められる責任者であり、この【遺言執行者】が定められている場合には、遺贈による不動産の名義変更は相続人全員の署名捺印を要せず、【遺言執行者】と遺贈によって不動産を受け取る者のみの書名捺印で行うことが可能になります。
 また、【預貯金の解約】の場面においても、最近では【遺言執行者】のみの署名捺印で解約を認める金融機関が多くなり、手続きに際して非常に簡易なものとなっています。





 生前の相続対策としての遺言書は非常に重要なものですが、その記載についても当然、十分に検討しなくてはなりません。ご自身で判断なさらず、法律専門家にご相談されることを強くお勧めします。



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