その家族信託ちょっと待った!危険な家族信託の特徴を押さえよう

 

認知症対策として近年大きな注目を集める「家族信託」。

口座凍結予防や相続対策として非常に有効な制度ですが、正しい知識のないまま行えば、思ってもみないトラブルを招きかねません。悪例とも言える「危険な家族信託」の特徴をチェックしておきましょう。

 

信託契約書が公正証書ではない

家族信託は、公正証書ではなく私文書でも契約することが可能です。私文書での契約はいつでも契約書を作成できてお金もかからないため、メリットばかりという印象を受けますが、実は大きな危険性をはらんでいます。

私文書の場合、契約書の原本を紛失してしまえば、内容が分からなくなってしまいます。また、契約を結んだ際の委託者の判断能力の有無を問われた場合、公的な証明ができません。

多少の費用や手間はかかっても、公正証書を作成して法的効力を得ることで、トラブルの危険性は格段に下がります。

 

信託口座を開設していない

家族信託と成年後見制度を混同している人に多いのが、信託口座を開設していないケースです。契約書に委託者名義口座を管理する旨を記載していても意味はなく、受託者名義の信託口口座を開設することが大切です。

信託口口座を開設しておけば、仮に受託者が死亡しても口座凍結を防ぐことができます。また、受託者が破産して財産の差し押さえを受けても、信託口口座には影響がありません。

 

相続の遺留分を侵害している

遺留分とは、民法で定められている最低限相続できる財産を指します。遺言や贈与があったとしても、遺留分の権利は侵害されません。また、家族信託の受益権は、相続税法ではみなし相続財産に該当します。よって、家族信託の契約内容が遺留分を侵害していた場合、裁判となる可能性もあるでしょう。

実際に、遺留分を侵害する目的で家族信託を行ったと判断され、信託が無効となった判例があります。

 

不動産に抵当権が設定されている

 

抵当権が設定されている不動産は、自由に家族信託の対象にすることができません。

まずは銀行などの債権者に承諾を受けてから、不動産の所有権を委託者から受託者へ変更するという決まりになっています。家族信託する承諾を受けないまま家族信託を行えば、ローンの一括返済を求められる可能性もあります。

不動産に抵当権が設定されている場合、危険な家族信託になっていないか注意が必要です。

 

家族信託は、自由度の高い使い勝手の良い制度です。しかし、何でもできる訳ではありません。制度をしっかり理解しなければ、トラブルの種になったり思ってもみない不利益を被る危険性があるのです。

判断に迷う場合は早めに専門家に相談し、家族信託のメリットを十分に活かせるように活用しましょう。


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