【注意!】生前贈与は手渡しNG?税務署に隠すことは出来るのか?困る前に専門家に相談しよう!

【生前贈与を税務署に隠し通すことは難しい】 

年間110万円を超える金額の生前贈与を受けると、贈与税の申告が必要となります。期限内に申告をしなければ、税務調査の対象となり、本税に加えて追徴税が課せられる可能性があります。 

 

ここで気になるのが、「現金手渡しで生前贈与を受ければ、税務署にばれないのでは?」ということではないでしょうか。銀行などの第三者を介さずにやり取りをすれば、記録に残らず、お金のやり取りは外に漏れないと思われるかもしれません。 

しかし、現実には生前贈与を税務署に隠し通すことは難しいでしょう。なぜなら、税務職員は、周辺の事実を総合的に調査し、贈与の事実にたどり着くことができるからです。 

 

贈与のために預金を下ろした際、税務職員はその預金口座を調査すれば、

「いつ、誰の口座から、◯円の出金があった」

という事実を把握できます。ここから、その出金について、「使途不明金」として調査を実施します。

「何かに支出されている」

「現金などとして残っている」

「誰かのもとにわたっている」

といった複数の可能性から絞り込み、贈与の事実を把握すれば、贈与税の申告漏れに対して税務処分を行うことになります。 

 

なお、贈与の事実が明らかになるのが、贈与から数年経った後ということも少なくありません。相続税調査の際には、被相続人のみならず相続人の預金口座も調べられるのが一般的ですから、贈与者が死亡し、相続税調査のタイミングで贈与の事実が明らかになるケースもあるのです。 

 

原則として、申告の有無にかかわらず多額の資金が動いている場合は、税務調査にて明らかになります。平成30年度の贈与税の調査(国税庁)において、贈与税の申告漏れは調査件数の99.6%となっており、財産別でみると現金や預金が調査件数の74.3%にも上っています。 それがたとえ現金手渡しであっても、ほとんどの場合は調査によって明らかになるということです。  

 

【現金贈与が未申告であったと発覚したらどうなる?】 

贈与税の時効は6年なので、贈与の事実から6年以内においては贈与税の申告漏れとして期限後申告することとなります。 その上で、通常の贈与税本税以外にペナルティーがつきます。

贈与税に限らず、税金の滞納があった場合は、加算税や延滞税がかかってきます。加算税には、過少申告加算税(少なく申告したとき)、無申告加算税(期限までに申告しなかったとき)、不納付加算税(期限までに支払わなかったとき)などのほか、罰則的な意味合いで重加算税(最高40%)などがあります。 また、延滞税は、支払いまでの期間に応じて課せられます。 

 

生前贈与は現金手渡しならバレないから大丈夫、110万円以下なら非課税だから現金手渡しできる…。

そう考えていらっしゃる方も多いかもしれません。

しかし、安易に生前贈与の方法として現金手渡しを選択すると、罰則・ペナルティの対象となるリスクがあります。「110万円以下なら大丈夫」「非課税対象だから何も手続きはいらない」という思い込みや勘違いからペナルティを課せられたのでは元も子もありませんよね。しっかり専門家に相談しましょう。 

 

【暦年課税贈与が認められずに相続税を課税される可能性も】 

次に、被相続人の財産が生前に相続人に渡っていたことが明らかになると、どう判断されるのかを説明します。 

 

①「生前贈与があった」と判断されるケース 

被相続人と相続人の間で贈与の合意があり、資金の受け渡しがあった。それにもかかわらず贈与税の申告がなかった場合は以下の通りです。 

このとき、贈与税の計算は、原則として「暦年課税制度」により行います。
暦年課税制度では、1年間に贈与を受けた金額を合計し、基礎控除額110万円を引いた額について、10〜55%の税率で贈与税を計算します。
つまり、税務調査で年間110万円を超える生前贈与があったことが明らかになれば、贈与税の申告と、追徴税を含む納税が必要となるのです。 

 

②「被相続人から相続人に資金が移動しているが、生前贈与ではない」と判断されるケース 

贈与は、贈与者と受贈者の同意があってはじめて成立するため、この同意がなかったと判断されれば、贈与税はかかりません。たとえば、「被相続人が勝手に相続人名義の口座に財産を貯めていた」「相続人が勝手に被相続人の預金を下ろした」といったケースです。 

このようなケースでは、贈与税はかからないものの、出金額の全部または一部が「被相続人の相続財産」と判断され、相続税の修正申告を求められることになります。 

 

【贈与契約書を作成しよう!】 

生前贈与の合意の有無によって贈与税、相続税の違いは出ますが、いずれにしても使途不明金は追徴税の課税根拠になります。 

こうした事態を避けるには、基礎控除額や税率を意識して生前贈与を行い、贈与者と受贈者に合意があったことについて「贈与契約書」で記録を残しておく必要があります。贈与契約書には、明確に誰が、誰に、いつ、何を、どうやって贈与したのかを記載し、双方合意の上での契約となるようにする必要があります。  

 

贈与契約書を作成することで、贈与の内容が明らかになり、後のトラブル予防になるだけでなく、贈与人の後日撤回を防ぎ、税務調査時の証明手段ともなります。

なお、贈与の契約書において注意すべき点は、贈与の額を明示することです。贈与契約の本文には、「Aは現金 〇〇〇円 をBに贈与することを約し、Bはこれを承諾した。」と示します。これで贈与について、双方の同意があったことを明らかにしておきます。

もしも節約対策として暦年贈与における基礎控除額110万円を有効利用するならば、毎年、贈与契約書を作成しておきましょう。 

  

【まとめ】 

今回の記事でご紹介したとおり、子供への生前贈与には、知っておくべきさまざまな事柄があります。知識の無いまま贈与してしまい、望まないトラブルに発展してしまっては意味がありません。 トラブルを避けるためにも、生前贈与については専門家へ早めに相談し、計画的に行うことをおすすめします。 

 

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