生前贈与とは?知っておきたい特徴やポイントを司法書士が解説!

生前贈与は、有効に活用すれば相続税よりも安い納税額に納めることのできる制度です。本記事では、そんな生前贈与の主な特徴やメリットについて基本を解説します。「生前贈与のことを知ったけれど、具体的なことがよくわかっていない」という方は、ぜひ参考にしてくださいね。

まずは知っておきたい!生前贈与とは

「生前贈与」とは、被相続人が死亡する前に自分の財産を人に分け与えることをいいます。

「自分の意思をしっかり反映できる」「相続税よりも税金が安くなる」といった点でメリットがあります。

ただし、財産によっては相続税よりも贈与税のほうが高くなってしまうため、くれぐれも注意しましょう。

まずは司法書士に資産について調べてもらい、贈与税の試算をしてもらうことをおすすめします。税に関すること、財産に関することで皆様が喜んでいただける方法を提案するのが私たちの仕事です!いろいろご相談いただき、依頼者の方に、一番喜んでもらう形にしたいと思っています。

【生前贈与がおすすめできる人の特徴】

・親名義の家に親子で同居している方

・相続税の発生が懸念される方

・遺言書の作成には抵抗を感じてしまう方

・財産に対する自分の考えを周囲に明確に示したい方

・財産の承継に関して、早いうちに家族を安心させたい方

遺言書よりもメリットがある?負担付死因贈与契約とは

「贈与する人」と「贈与を受ける人」との合意内容を契約で交わすのが死因贈与契約です。

贈与する人の意向を贈与を受ける人は合意していますので、贈与者が亡くなった後、その意向を無視することができないのが特徴です。

これに対して「遺言書」は、「遺言執行者」を付けたとしても、相続人全員が遺言書に反する内容で「遺産の分割協議」を行って合意した場合、その内容を実行させることはできません。

そのような意味で、自らの財産に対する意向を確実に実現したい場合には「死因贈与契約」は大変有効な方法といえるでしょう。

ところで「負担付」というのは、贈与者が、贈与を受ける人に、何らかの義務/負担を課すことを意味します。

つまり贈与を受けた方は、相続が発生するまで、その義務・負担を全うし、利益を受けるということになります。

義務・負担の内容は、具体的には「今後の身の回りの世話を続けて欲しい」「同居して面倒を見て欲しい」といったものが多いといわれています。遺言書よりも実行度合が強く、成年後見よりも自由度が高いという意味で、使い勝手の良い制度になっています。

 死因贈与契約の特徴を端的に整理すると、

◇ 贈与を受ける人の承諾が必要◇

◇ 契約とともに権利義務が発生する◇

◇ 原則として取り消し/一方的な破棄は不可◇

となります。

遺言書における遺贈とは異なる法律行為です。これは贈与する方が亡くなった場合に効力が発生しますが、ご自身の財産を処分することになりますので、意思が明確であることが条件になります。

書面がしっかり作成されていれば、贈与を受ける人も承諾しているため、 死因贈与契約は遺贈よりも実行性に優れているといえます。ただし遺言書と同じように、遺留分減殺請求を受ける可能性は残ります。遺留分を考慮した設計が必要となるでしょう。

①負担付死因贈与契約の注意点

死因贈与契約の手続きにおいて注意をしなければならないのは、契約内容の実行に疑問が発生したり、相続人間でトラブルが出ないようにしておくことです。

契約内容を明確に記載しておくことが大切で、以下の2点が特に重要です。

■贈与の対象資産

■負担の内容

資産が不動産の場合は、登記事項証明書の記載に従って正確に記載し、また、預貯金は「銀行名」「支店名」「口座の種類」「預貯金の種類」「口座番号」「名義人名」を明示します。

死因贈与契約も遺言書と同様に、執行者を指名することが可能です。

通常、死因贈与契約の内容は他の相続人と利害が対立することが多いため、司法書士などの専門家を指定しておけば、執行が確実に進められるでしょう。

②負担付死因贈与契約に『公正証書』を利用する

死因贈与契約は一般的な贈与契約と同じであり、書面が作成されていなければ贈与者側から撤回することが可能です。

贈与を受ける場合、負担を背負うことになりますから、撤回されないために書面にしておくことが大切です。

贈与契約書には「公正証書」を利用するのが最も安全かつ確実といえます。

③負担付死因贈与契約の取り消し

負担付死因贈与契約の取り消しについては、その負担が履行されたかどうかで大きく違ってきます。

負担が履行されていない場合、遺贈の取り消しの規定により、取り消すことが可能です。

また、負担のない死因贈与契約の場合は、これもいつでも取り消すことができます。

しかし、負担が全部または一部履行された場合は、原則として取り消すことができません。やむをえない「特段の事情」があれば、遺贈の規定により取り消すことができます。

最大4,000万円が非課税に!?住宅取得資金の特例とは

子が、被相続人(親)から住宅取得資金として贈与を受け取った場合、一定の条件を満たすことで税金の特別控除を受けることができます。

①住宅取得等資金にかかる相続時精算課税制度適用のための条件

■平成26年12月31日までに、20歳以上である子(贈与があった年の1月1日現在で判断)に父または母(年齢制限なし)から資金の贈与が行なわれること

■贈与資金が次のいずれかの目的のために使用されること

〇床面積50㎡以上で居住部分が50%以上の住宅(敷地を含む)の新築または取得

(中古住宅の場合、耐火建築物は建築後25年以内/耐火建築物以外は建築後20年以内のもの又は「耐震基準適合証明書」/「住宅性能評価書の写し」により証明されたもの)

〇工事費用が100万円以上で、増改築等の後の家屋の床面積が50㎡以上となる自宅の増改築等(家屋に居住用部分以外の部分がある場合、居住用部分の工事費用が全体の50%以上を占めること)

■贈与の翌年3月15日までに上記住宅の新築/取得/増改築等をして入居すること又は同日以後遅れることなく入居することが確実であると見込まれること

■平成17年に贈与により取得した住宅取得資金等について「5分5乗方式」の住宅取得資金等の贈与の特例の適用を受けていないこと

■贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に、相続時精算課税選択の特例の適用を受ける旨を記載した贈与税の申告書に、必要書類を添付して納税地の所轄税務署に提出すること

②直系尊属からの住宅取得等資金の贈与の特例

平成24年1月1日から平成26年12月31日までの間に、父母や祖父母などの直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合には、500万円までの金額について贈与税が非課税となる特例があります。

この500万円の特例は、相続時精算課税制度とは別の制度なので、通常の贈与であれば基礎控除額110万円と併せて610万円までが、また、相続時精算課税制度の選択と併せれば300万円まで、さらに住宅取得等資金の特例が適用できれば最大で4,000万円までの額について贈与税が非課税となるのです。

具体的な適用条件は以下の通りです。

■贈与を受ける人が次の全ての要件を満たすこと

〇次のいずれかに該当すること

・贈与を受けたときに日本国内に住所を有すること

・贈与を受けたときに日本国内に住所を有しないものの日本国籍を有し、かつ、贈与を受ける人又は贈与をする人がその贈与前5年以内に日本国内に住所を有したことがあること

〇贈与を受けたときに贈与をした人の子や孫など、直系卑属であること

〇贈与を受けた年の1月1日において20歳以上であること

■贈与資金が次のいずれかの目的のために使用されること

〇床面積50㎡以上で居住部分が50%以上の住宅(敷地を含む)の新築または取得(中古住宅の場合、耐火建築物は建築後25年以内/耐火建築物以外は建築後20年以内のもの又は「耐震基準適合証明書」/「住宅性能評価書の写し」により証明されたもの)

〇工事費用が100万円以上で、増改築等の後の家屋の床面積が50㎡以上となる自宅の増改築等(家屋に居住用部分以外の部分がある場合、居住用部分の工事費用が全体の50%以上を占めること)

■贈与の翌年3月15日までに上記住宅の新築/取得/増改築等をして入居すること又は同日以後遅れることなく入居することが確実であると見込まれること

■贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に、非課税制度の特例の適用を受ける旨を記載した贈与税の申告書に、必要書類を添付して納税地の所轄税務署に提出すること

2,000万円以上の贈与税が控除!夫婦間の贈与の特例とは

「夫婦間の贈与の特例」とは、一定の条件を満たせば、最高で2,110万円まで贈与税が発生しないという配偶者控除が受けられるものです。特定を受けるための具体的な適用要件は次の通りです。

①特例を受けるための適用要件

夫婦間贈与における配偶者控除を受けるためには、以下の条件を満たすことが必要です。

■ 夫婦の婚姻期間が20年を過ぎた後に贈与が行われたこと。

■ 配偶者から贈与された財産が、自分が住むための国内の居住用不動産であること又は居住用不動産を取得するための金銭であること。

■ 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与により取得した国内の居住用不動産又は贈与を受けた金銭で取得した国内の居住用不動産に、贈与を受けた者が現実に住んでおり、その後も引き続き住む見込みであること。

※配偶者控除は同じ配偶者の間では一生に一度しか適用を受けることができません。

②適用を受けるための手続

以下の書類を添付して、贈与税の申告をすることが必要となります。

■ 財産の贈与を受けた日から、10日を経過した日以後に作成された戸籍謄本又は抄本

■ 財産の贈与を受けた日から、10日を経過した日以後に作成された戸籍の附票の写し

■ 居住用不動産の登記事項証明書

■ その居住用不動産に住んだ日以後に作成された住民票の写し (ただし、戸籍の附票の写しに記載されている住所が居住用不動産の所在場所である場合には、住民票の写しの添付は不要です)

③配偶者控除の対象となる居住用不動産の範囲

贈与する居住用不動産にも、ある程度の条件が求められます。

■ 贈与を受けた配偶者が住むための国内の家屋又はその家屋の敷地であること(この「敷地」には「借地権」も含まれます)

■ 居住用家屋とその敷地は一括して贈与を受ける必要はなく、居住用家屋だけや居住用家屋の敷地だけの贈与を受けることも可能です。

ただし、この居住用家屋の敷地だけの贈与を受けるときには、その家屋の所有者が次のいずれかに当てはまることが必要です。

〇夫または妻が居住用家屋を所有していること

〇贈与を受けた配偶者と同居する親族が居住用家屋を所有していること

※敷地の贈与を受ける場合には敷地の一部の贈与を受けることができます。

※居住用家屋の敷地が借地権のときに金銭の贈与を受けて、地主から底地を購入する場合も認められます。

①不動産価格の算定

・建物は市区町村で発行される固定資産評価証明書の価格を基準とします。

・土地は路線価から算出された価格を基準とします。

2,500万円以下の贈与ならメリットが!相続時精算課税制度とは

「相続時精算課税制度」とは、65歳以上の両親から20歳以上の子への贈与に関しては、その贈与額2,500万円まで贈与税がかからなくなるというものです。

相続時精算課税を選択しようとする受贈者は、

(1)その選択に係る最初の贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間(贈与税の申告書の提出期間)に、

(2)納税地の所轄税務署長に対して「相続時精算課税選択届出書」を、

(3)受贈者の戸籍の謄本などの一定の書類とともに贈与税の申告書に添付して提出する

という取り決めに従わなければなりません。

また、前年以前にこの特別控除の適用を受けた金額がある場合には、2,500万円からその金額を控除した残額がその年の特別控除限度額となります。

2,500万円を超える部分には、一律に税率20%で贈与税が課税されます。ここで支払った贈与税は、いわば相続税の“前払い”のような意味合いがあるといえるでしょう。

将来相続が発生した時に、相続時精算課税制度により贈与をした財産は、相続財産に含まれ相続税が課税され、贈与税を支払っている場合には、その贈与税額を相続税額から差し引かれます。

【相続時精算課税制度を適用要件】

■ 財産を贈与した人(贈与者)・・・65歳以上の親

■ 財産の贈与を受けた人(受贈者)・・・20歳以上の子である推定相続人

※年齢は贈与の年の1月1日現在で判定します。

※子が亡くなっている場合、20歳以上の孫を含みます。

しかし一度でも相続時精算課税制度を選択してしまうと、従来の「暦年課税制度」には戻せないため、くれぐれも注意しましょう。

【相続時精算課税制度と暦年課税制度との比較】

(引用:http://www.souzoku-sapporo.net/145/14505/)

知らなきゃ絶対に損!暦年贈与・連年贈与とは

贈与税とは本来、相続税の補完として位置づけられており、相続税よりも税率が高く設定されています。

しかし確かに贈与税の税率は高いものの、年間で110万円までの贈与税の基礎控除があるため、たとえ大きな財産であっても年数をかけて行うことで、生前贈与を有効に利用することも可能となるのです。

とはいえ、最初から巨額の贈与をする意図があったと税務署にみなされると、初年度に贈与財産全額の課税がされるおそれがあるため、注意が必要です。このことを通常の単発の贈与「暦年贈与」と区別して「連年贈与」といいます。

①連年贈与とみなされないために

先述したように、ある程度年数をかけて贈与をしていく場合、連年贈与認定を避けるようにしなければなりません。そのためには下記のことを注意して、準にを進めていく必要があります。 

■贈与契約書を贈与の都度作成する。

■贈与を受ける方ご本人の口座に振り込んだり、あるいは年間に110万円を超える贈与を行い、贈与税申告を毎年行なう等、贈与に関する明確な記録を残す。

■毎年違う時期に、違う金額、違う種類の財産で贈与を行う等、単発の贈与であることを強調する。

②相続税と贈与税の税率の差額を利用する

巨額の贈与を予定している方や、上記のように贈与に年数をかけていられない方などは、年間110万円の贈与税の基礎控除枠では、生前贈与をあまり有効に活用できないように思われるかもしれません。

しかし、そのような場合であっても、贈与財産の金額によっては、相続税より贈与税の税率が低くなる場合もあるため、その適用範囲において贈与を行うことで、やはり生前贈与を有効に利用できる場合もあるのです。

もちろん、事前に税理士に試算してもらった上で、資産の内容、現金の有無に応じて、実際の贈与額や贈与を行っていく年数等を個別に考えていかなくてはなりません。

当センターでは税理士との提携もしておりますので、ご遠慮なくお問合せください。

まとめ:生前贈与のことなら札幌大通遺言相続センターにおまかせください

今回は、生前贈与の基本的な解説や、知っておくべき生前贈与の特例について紹介しました。

しかし法律に関する専門的な話ばかりでしたので、「理解できたところもあるが、いまだによくわからない部分もある」という方もいらっしゃるかと思います。

そんなときは、司法書士・行政書士におまかせください!札幌大通遺言相続センターは、これまで数多くの相談実績を持つ相続のプロ集団。みなさんの生前贈与に関するあらゆるお悩みに、すべてお応えします!

まずはお気軽にお電話を!

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