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相続放棄と葬儀費用

相続放棄を行おうとする相続人は、被相続人(=亡くなった方)の相続財産を勝手に処分してはいけません。相続財産を処分することで、相続することを承認したものとみなされてしまうから、という理由に基づくことは前述の通りです。
しかし現実的な問題として、死亡後すぐに必要となる「葬儀費用」の支払いについては、一体どのように考えていけばよいのでしょうか。

葬儀費用は、被相続人の預金・現金から支払うことのほうが一般的ではないでしょうか。
そうであるならば、葬儀費用を被相続人の財産から支払ったことで相続したものとみなされてしまい、相続放棄が認められなくなってしまうというのは、あまり現実的ではなく、相続人にとっては非常に不利となってしまいます。

そこで実際、いくつかの裁判例においては、被相続人の預金を葬儀費用の支払いに充てた場合でも、相続したものとみなされることはなく、相続放棄が認められると判断されています

ただし、その場合の葬儀費用は「一般的な価格であるべき」とされています。
あまりにも高額な葬儀費用であると、被相続人にお金を貸していた人(=債権者)がお金を返してもらうための対象となる財産が大幅に減ってしまうから、という債権者保護の考えがあるためです。

「一般的な葬儀費用の価格」が具体的に金額としていくらなのかが気になるところではありますが、現在その明確な基準はありません。しかし、平均的な葬儀費用の相場から考えて、およそ200万円以下の葬儀費用であるならば相続放棄に支障はないのではないでしょうか。
いずれにせよ、相続放棄を考えていく場合には、葬儀費用を相続財産から支払わないほうが無難のように思われます。




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代表 田澤泰明  略歴
1952年千歳市生まれ。1982年札幌において司法書士登録。司法書士事務所にて実務を修得後、美園にて開業。以来、お客様に対して、奉仕の精神を忘れることなく業務に取り組む。1989年大通において第一司法書士合同事務所を開設。市内で事務所を移転したのち、ここ道銀ビルにおいて、札幌で活躍する他の資格者と提携、『法務会計のワンストップサービス』を目指す。
 北海道行政書士会にも所属。